うに丼

父親たちの星条旗のうに丼のレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
3.2
「戦いが始まるとき、まず失われるものは若者の命である。そしてその死は、ついに報われたためしがない」

『仁義なき戦い 代理戦争』ナレーションより


戦場に英雄なんていない。
大平洋戦争をめぐる一枚の写真に運命を翻弄された三人の若者、中でも、先住民の血を引くアイラ(アダム・ビーチ)の悲運は忘れられない。

クリント・イーストウッド監督による『硫黄島』二部作、アメリカ篇。

スピルバーグが製作しているだけあり、戦闘シーンの臨場感は『プライベート・ライアン』に引けを取らないが、フラッシュバックという形で合間合間に挿入される為、中には退屈に感じる人もいるだろう。しかし、イーストウッドは戦場そのものよりも、帰国後に若者たちを襲ったPTSDや、国家権力という強大な力の恐ろしさを描きたかったのではないか。
彼らをかりそめの英雄として祀り上げ、国債キャンペーンに利用する老獪な〈大人〉たちの醜悪さよ。ただただ国家によって傷つけられた若者たちは、死ねまでその苦しみと向き合わなければならない。

冒頭に引用した『仁義なき戦い』のナレーションは、そのまま本作にも当てはまる重要なメッセージだ。日本人も米国人も、戦争に対して思うことは一緒である、ということか。