死ぬまでにしたいことを10個挙げてください、と言われた際にパッと思い付きますか？私は無理です。
だって、もし同じような状況に置かれたら、冷静に物事を判断出来ないと思うからです。
主人公のアンはある日、23歳にして余命二ヶ月という宣告を受けてしまう。
アンは『死ぬまでにしたい10のこと』をノートに書き出し、それを実行していくお話。
まず、とんでもなく重い内容です。
邦題が割とキャッチーなため誤解されがちですが、ハッピーなお話ではありません。
死という恐怖に、真正面から対峙する強い女性を描いたお話です。
何故ここまで冷静にいられるのだろうか？
死に対する恐怖をおくびにも出さず、いつも通りの日常を過ごし、静かにひっそりと旅立ったアン。
家族にすら別れを告げずに。
やりたい事もやり残した事も沢山あったはずなのに、アンは冷静に真実を受け止めた。アンを演じるサラ・ポーリーさんの演技も物凄いです。芯が強く、それでいてどこか儚げな女性を演じきっています。
全体的に暗く重い内容なのに、生きる強さみたいな物を貰える不思議な作品。
