KanaiSatoru

死ぬまでにしたい10のことのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

死ぬまでにしたい10のこと(2003年製作の映画)
3.2
死ぬまでにしたい10のことを観ました。

ストーリーは、23歳のアンが死を宣告されてから残された日々をどう過ごすのか、というもの。

アンは、トレーラーハウスで失業中の夫と幼い2人の娘と暮らし。
ある日、彼女は突然腹痛に襲われて病院に運ばれ、医師から余命2ヵ月の宣告を受ける。
しかしアンは、癌であることを誰にも打ち明けないと決意し、ノートに死ぬまでにしたいことを10書き出した。彼女は残された日々をどう過ごすのか?🤔

物語はわりと淡々と進みます。
死を宣告された彼女は、自暴自棄なったり、暴れたりもせず、1人で死を抱えて残りの人生を過ごします。

正直、自分にとって彼女の行動は、とても非現実的で、まず有り得ないと思いました。
そして、そんなファンタジー的?な要素の映画であるにもかかわらず、やってることが妙に現実的で、作り手に一貫性がないというか、映画の脚本と雰囲気がバラバラです。😔

この映画は、感動作として、誰かが語る話にしばしば登場しますが、残念ながら自分にはハマりませんでした。🥱

どうしてもわからないのは、浮気したこと。
さらにこの浮気相手のリーは、探してみつけた相手です。
死ぬまでにしたいことを書き、「夫以外と付き合う」の通りに男を探し、コインランドリーで出会ったリーを手っ取り早く誘惑する。
そこまでするのはなぜか?

現実にはあり得る話ですが、それを映画化し、観る側に感動作として押し売りする、その作り手の気持ちがさっぱりわからない。
そこに引っかかり、全然、感情移入できませんでした。😤

彼女の気持ちを省略し過ぎているように思います。なぜ書いた10のことがあの内容だったのか?
ひとつひとつにどんな思いがあって書いたのか?
17歳で子供を産んで、夫しか男を知らない、だから他の男を試してみたい、それだけが理由ですか?
そんなささいな自分勝手な動機で、誰かを傷つけていいのか?
死ぬ間際だから勘弁してやってよ?
死ぬ間際だから、自分の好きなように生きていい?

現実にはあり得る話かもしれません、人間なんてそこまで崇高な生き物ではないでしょう。
でも映画って、それを覆い隠して、観る人に「素敵な人生」を魅せてくれる、それが映画じゃないのか?😠
そんな映画は、世の中にたくさん溢れてるから、たまにはこんな映画があっていい?

作り手とのギャップを感じる映画でした。

リーに対しては、死が迫ったら急に夫がいることを打ち明け、別れて、手紙書いて、一方的に悲しませて、さらに死ぬ。

自分だったらどうするか?
それを考える時間もないくらい、おかしな脚本に対して作り手の気持ちを考えることに時間を使ってしまいました。
あまりオススメできませんね、65点です。
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