マーくんパパ

理由のマーくんパパのレビュー・感想・評価

理由(2004年製作の映画)
3.8
宮部みゆきの小説映画化、一時期宮部ワールドにハマって小説読み漁った時期あり。ストーリーテラーとしての語り口が絶妙の同氏だが、本作は異色で荒川区の高層マンション一室で起きた家族でもない4人の死体の謎を多数の人々から寄せ集めた証言を元に刑事が事件の核心に迫っていく。主人公のいない映画、1番登場回数多いのがマンション管理人の岸辺一徳だが主人公と呼べるキーマンでもない。スター級の役者がチョイ出演で証言を並べていくその数100人以上という豪華さ、みんなノーメイクだから誰だか見逃してしまいそうな人まで、観る側も別のスリルを味わえます。昔の下町風情は失われ隣人が誰かもわからないマンション生活、無理しても家を持ちたい欲求と返済破綻、競売物件に巣食う占有屋etc現代の抱える問題提示して進行する異色ミステリーでした。談志もまだ威勢よかった。