マンネン

聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-のマンネンのレビュー・感想・評価

3.5
連合艦隊ものはまず宣戦布告が攻撃後だったことをどう説明するか、そして南雲中将の魚雷装填の遅れをどう扱うか、がどう描かれているのか注視するところ。
前者は再三の山本五十六の指示と確認があったにもかかわらず明確な理由は無くなぜか遅れてしまった、とだけ。後者は山本五十六の指示に表向きは半数の戦闘機への魚雷装填を了承したものの、南雲の独断で実はすべて陸用攻撃爆弾を装備させていたと。

映画全体に占める比率として、戦闘シーンは少な目であり、幕僚たちの葛藤、司令官の冷静な判断、そして新聞社の苦悩に多くが割かれていた。

確かに新聞はこの時代国民に真実(劣勢)を伝えるよりも世論を鼓舞して鬼畜米英に誘導することを優先させざるを得なかったわけだが。
戦後、朝日、毎日は戦時にとった姿勢を忘れたい願望からか反戦論に180度転換しつつもいまだに世論は自分たちが作るもの、とのおごりから抜け出せていない現実である、、、などと考えさせられた映画であった。