雨と月

聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-の雨と月のレビュー・感想・評価

3.3
聯合艦隊司令長官・山本五十六元帥の実像を映画化したとする戦争映画。
戦争映画だが戦闘シーンは少なく、山本五十六という人物が戦争にいかに関わったかについて描いている。

山本五十六という人は、当時誰よりもアメリカとの戦争を反対していたが、太平洋戦争の指揮官に任命され、自分が太平洋戦争の火ぶたを切ることとなってしまう。
もの凄く苦悩しただろうが、映画で描かれている五十六は悩んでいる姿を見せず、常に部下のことを思いやる、
戦術会議では冷静沈着、裏付けのない話は信用しない等、理想のリーダー像そのものである。
少し美化されている部分もあるのだろうが、、
役所広司がまた上手く、嫌みなく演じていてよかった。

この映画で印象に残ったのは、太平洋戦争が始まる前の日本の雰囲気についてである。
国民が戦争を望んでいたという事実!戦争が始まれば景気がよくなる、なんて云って笑っているサラリーマン。。
彼らにとってその時はまだ、戦争は対岸で起こっている出来事だったのだろう。
その後、全てをなくすとも考えもせず、、戦争やれやれとは、、何とも愚か。
新聞でも戦争を随分と煽っていたようだし(好戦的なことを書くと部数が伸びたとか)、時代背景もあるので
一種の洗脳みたいなところがあったのかもしれないが…
こんな時代にもう二度としてはいけないね。
雨と月

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