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コズモポリスのmogのレビュー・感想・評価

コズモポリス(2012年製作の映画)
3.3
脈絡のない抽象的な会話。連続性のないシーンの転換。非合理的な筋運び。この映画はリアリズムのモードで鑑賞してはいけない。イライラするか眠くなるか。

これは戯曲。そう思って観ればなかなかグッとくる台詞まわしもあるに違いない。

前立腺の非対称さに答えがあったんだってなにそれバカじゃないのと思ったあなた。これはギャグなんですよ。え、ギャグとしてもサムい?滑ってるところまで含めてのシュール芸です。

登場人物全部イマジナリーでこいつの頭の中ずっとみてるだけなんじゃないのと思わせられるような不思議な映像に仕上げたのはクローネンバーグ監督だなあという感じ。

ロバート・パティンソンの演技は雰囲気もあってグッド。

酷評されてるほど全然悪くない。

ところで原作のドン・デリーロはハロルド・ブルームによれば現代アメリカ文学を代表する4人の作家の1人だそうで、残りの3人はトマス・ピンチョン、フィリップ・ロス、コーマック・マッカーシーとのこと。映画原作としてはコーマック・マッカーシーの圧勝ですね。全ての美しい馬もノーカントリーもザ・ロードも全部面白い。
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