0

阿修羅城の瞳の0のレビュー・感想・評価

阿修羅城の瞳(2005年製作の映画)
3.0
舞台として見た。

映画として見たら、ゲキシネと変わらない。舞台という限られた空間で魅せる迫力のある殺陣や仕掛けの数々を映像にして見せてくれるゲキシネ。せっかく劇場版にしたのだから、映画ならではの空間の広がりだとか迫力など、もっと出せたと思うのだけど、舞台上に組んだセットのようなシーンが多くて、映画を見たーって感じにはならなかった。血の演出なんて、舞台の方が勝っていたのではないかしら。10年前のCG技術ってこんなんだったの?

だけれども、市川染五郎の妖艶さにイチコロなのでもうどうでもいい。いちいち凄い。殺陣は元より歌舞伎シーンなんてあるし色気がもうたまらない。
宮沢りえは鶏ガラのように細いし、殺陣も今ひとつなのだけど、声や表情が艶っぽくてほんとすてき。
歌舞いている染五郎に、何言ってるのかさっぱりの渡部篤郎、先刻の宮沢りえ、べらんめえ調の小日向文世、ずっと笑っている樋口可南子に内藤剛志、色々な化学反応がばんばん弾けて、面白い空間になっていた。
極め付けには、菅野よう子氏の音楽が絡んで、もうたまらん。


なんかCLAMPの「聖伝」を読み返したくなったり。
0

0