熊

八日目の熊のネタバレレビュー・内容・結末

八日目(1996年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

終始、贈与交換的な視点でみていた

仕事に必死で生き方までビジネス(交換の原則)に染められている主人公。
その主人公がジョルジュに会って、交換の原則とは異なるあり方(贈与)で他者と関係を持つようになる話。
社会において人と人とは贈与交換の仕方で関係を結ぶなか、ジョルジュのプレゼント(贈与)は社会のなかでだれにも受け取ってもらえない。だれも彼と関係を結ぼうとしない。
貨幣経済のなかでは等価交換が原則で、私的な結びつきを省くことができるが、ジョルジュや彼の仲間たちはその関係性になじまず、徹底的な破壊と新しい関係の結び方を迫る。その圧倒的な力で主人公がひらかれていく。

気になるのは、ダウン症を「天使」と描くステレオタイプ的な表現。かれらから人格を奪ってはいけないし、結局社会において彼が生きていける場所が用意されていなかったことは、この映画のなかだけでなく現実における社会の問題だよなあと
熊