クレミ

アンブレイカブルのクレミのレビュー・感想・評価

アンブレイカブル(2000年製作の映画)
4.5
Mナイトシャマランて自分の勝手なイメージで自己主張激しめのそうでもない監督って思ってた。とんでもない。めちゃくちゃおもろいやんけすごい良かった。

マーベルやらDCやらヒーローものが溢れる時代になったけど、ヒーローが生まれる時って実際にはきっとこれくらい悩んで、受け入れられなくて、自分の力に気付けなくて、「人々のため」なんかじゃなくて、自分の存在意義を見つけることや家族のためなんていうすごく身近で言ってしまえば自分勝手な理由でヒーローになることを決断するんだろうな。

シャマランの描くヒーローがおもろいのは、ヒーローと同じようにヴィランの存在も描いていて、しかもその2人が「ヒーロー」「ヴィラン」に決定的に別れる瞬間を描きとっているところ。結局は両者とも、自分の生き方や存在の意味を長く探し続けていて、自分を見つけた先にあったのがヒーローだったのかヴィランだったのかの違いに過ぎない。ダンが家族のためにヒーローになることを決断したように、ミスターガラスは自分自身の生きる意味を見つけるためにヴィランになる。
2人の「誕生」を丁寧に描く物語。

そんでもって、ミスターガラスが精神を病んだ者であることは序盤から示唆され続け、最後には精神病患者として入院し、ヒーロー誕生のあの夜は「悪い夢」であることで、ヒーローとヴィランの対立構造はミスターガラスの妄想が創り出したものという可能性も残して終わっていく。「ヒーローとは?ヴィランとは?」という問いを最初から最後まで描いており、その問いは次作へと受け継がれている。いいぞ。ミスターガラス見たくなってきたぞ。
そういや過去に見たシャマラン作品の中でも、事実として描かれている"今"のシーンと回想シーンの境界線が曖昧というか、人の記憶の曖昧さや思い込みで話をひっくり返していくような手法が得意なイメージあったし、ここでもそういったシャマランのセンスが上手く仕掛けられているのだろう。

つーかヴィレッジとかシックスセンスとかわりと好きな方なのに食わず嫌いしてる方がおかしいんだよな。シャマランごめんな。今度からはちゃんと見る。