まるちよ

アンブレイカブルのまるちよのレビュー・感想・評価

アンブレイカブル(2000年製作の映画)
2.2
M・ナイト・シャマラン映画は地雷が多いものの、この「アンブレイカブル」から「ミスターガラス」に続く3部作はテーマ性が強くて引き込まれる良い映画だった。
将来有望のラグビー選手「だった」栄光を、心の何処かで引きずり続けてるブルース・ウィルス演じる「デヴィッド」が
が、車椅子の男「イライジャ」に出会い自分の持つ特殊な力に目覚めていく話。

話の流れだけ聞くと、マーベルみたいな爽快なスーパーヒーローもののように思えるけど、中身はすっごい地味。

・デヴィッド(損なわれない人、アンブレイカブル)
交通事故の影響で夢だったラグビー選手を諦め、妻とも離婚寸前。淡々と警備員の仕事をしながら家族3人で細々と生きている。
能力はケガも病気もしない、常人の倍くらい怪力。
そして近くにいる人の悪行を感知することができる。

・イライジャ(ミスターガラス)
生まれつき骨がスッカスカの病気だから少しぶつけただけで体中骨折してしまう。その分IQがすごい。

イライジャは上記の通り、生まれつきハンディをかかえていて母親がくれたアメコミヒーローマンガの絶版を販売するという渋い仕事に就いている。
この生い立ちが、イライジャが盲信する「失意の者」が人より優れた能力を持っているはず、という理論の元になっている。
すなわち、「大事故、大災害という絶望的な状況から生き残った特殊な人間こそヒーローなんだ」っていうある意味歪んだ見方になっている。

物語の顛末としては、デヴィッドは息子の期待通り自分がヒーローだということを自覚し悪者を成敗することになる。
イライジャはヒーローを探すために数々の事故を起こしていたことが発覚し、精神病院送りになる。

安直に、ハンディキャップや悲しい過去を抱えた人はそれらが無い人より優れているんだ、というポジティブな見方をすればいいのか、それとも人とは違う力を持つことは必ずしも幸せな事ではない、というネガティブな見方をすればいいのか。

ヒーローものという括りで見ちゃいけないのはわかっているけど、どうにも中途半端なイメージを受ける映画だった。

◆良いところ
- ミスターガラスかっこいい
- デヴィッドの息子がピュアでかわいい
- ブルース・ウィルスの演技がクソ渋くてかっこいい

◆悪いところ
- 展開が退屈
- 地味
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