主な登場人物は杉村春子、望月優子、細川ちか子の3人、3人は元芸者でその時代からの顔なじみ
杉村春子は女一人の暮らし(プラス耳の聞こえない住み込みのお手伝いさんがいる)
金貸業をしており望月や細川にも貸しているのだが煙たがられている
望月優子は娘有馬稲子との暮らし、だらしない性格で娘に金をせびったり、陰で杉村の悪口を言っていたり
だが頼りにしていた有馬稲子が結婚のため家を出て行ってしまう
細川ちか子は息子小泉博との暮らし、体が弱いらしくよく寝込んでいる
望月優子とお隣さん?でよくつるんでいる
こちらも小泉博が就職のため北海道へ行ってしまう
杉村はお金はあるが旦那も子供もいない孤独を感じていて、昔の憧れの人恋仲だった上原謙の訪問にときめいたり、同じく昔馴染みの見明凡太郎を毛嫌いしていたり、なんだかんだ金貸業に精を出すのが生きがい
望月&細川は頼りにしていた子供が独立しちゃってこれからどうしようみたいな
劇中では何かと過去のエピソードが出てきます
昔はブイブイいわせてたんだぜ的なのとあの頃は良かったなーみたいなのが多い、でも現在は、、、みたいな
だからこそ有馬稲子や小泉博が羨ましくも見えるんだろうね、若いから何でも出来ちゃう
この映画、監督が成瀬巳喜男ってのは知ってたけど原作が林芙美子なんですね
そういえば杉村春子の主演なんてのも見るの初めてかもしれない
なんか成瀬作品によくある日常に起こるちょっとしたエピソードって感じで、特に盛り上がりがあるわけでも大したオチがあるわけでもない作品かなと
でもそんな日常がリアリティがあって、出演者の皆さんが上手くて、やりとりが面白くて、、、そんな映画かなと
戦前戦中戦後を経験した世代でもないし、杉村春子や望月優子、細川ちか子の境遇とも全然違うしそんなに共感できるところはないんだけど、、、おそらく誰にでもある先の不安、昔は良かった、みたいなお話だと思います
多少地味なお話なんだけど、メイン3人が抜群に上手いし、出番少ないながら有馬稲子も魅力出てるし、あの耳の聞こえない子がかわいらしく、見所は多い作品でした