すいか

アマデウス ディレクターズ・カットのすいかのレビュー・感想・評価

4.3
幼い頃母が観ていて、モーツァルトの奇声しか印象に残っていなかった。名作であると知り、ずっと観たかったが去年の午前10時の映画祭でも見逃して以来忘れていた。ようやく鑑賞。
モーツァルトについて伝えられているエピソードをうまい具合に盛り込んでいて、モーツァルトの有名な曲がふんだんに、効果的に使われていて…そしてなにより、モーツァルトを語る主人公のサリエリの存在。
ただモーツァルトを主人公にすると取っ散らかるかもしれない物語を、サリエリが自らの心情とともに第三者的に語るという構成が、3時間という長尺をメリハリのある物語にしているのだと思う。飽きなかった。フィクションではあるが、1つの魅力的なモーツァルト像を観せてくれた。そして、彼の才能を見抜いて驚愕し、賞賛しながらも、ものすごい嫉妬に打ちひしがれていた音楽家が、きっと当時もいたのだろうなと、サリエリを通して感じた。
実際は違うそうだが、モーツァルトとサリエリがともにレクイエムを創作するシーンはよかった。
台風の日、心に残る名作をゆっくり鑑賞できてよかった。
すいか

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