Yukiko

ツォツィのYukikoのレビュー・感想・評価

ツォツィ(2005年製作の映画)
3.9
2022年3月30日
『ツォツィ』   2005年南アフリカ・イギリス制作
監督、ギャヴィン・フッド。
他の監督作品に『オフィシャル・シークレット』『アイ・イン・ザ・スカイ
世界一安全な戦場』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』がある。

南アフリカ。ヨハネスブルク。
ツォツィ(プレスリー・チュウェンヤガエー)はスラム街に
住み、仲間と窃盗をして暮らす。
ある日、高級住宅街で車を盗み、女性を撃って逃走。
が、その車の後部座席に赤ん坊がいることに気付く。
ツォツィはその赤ん坊を紙袋に入れ、自宅に連れ帰る。


原作はアソル・フガード。南アフリカ共和国に在住。
ヨハネスブルグの旧黒人居住区ソウェトが舞台。
ソウェトは、アパルトヘイト政策によって迫害されたアフリカ
系住民の象徴の地とも言われる地域だった。

映画の話の中に、なかなか入っていけない、何か遠ぉーーーく
に感じるストーリー展開に感じていた。

なんで、赤ちゃんを連れ去る??
盗んだ車を路上に放置するなら、赤ちゃんも後部座席に
そのままにしておけば良いものを。
ずっとそう思って観ていたが・・・・・

「家族」が欲しかったんだろうな、ツォツィは。
母の愛、家族の愛に飢えていたんだろうな。
それは、それまでのツォツィの生き方からは、真反対の
位置する感情。

愛、やさしさを戸惑いながらも、何もできない赤ちゃんの
世話をしながら、芽生えていく思い。
思い出す母の愛・・・・ってところかな。

しかし、赤ちゃんの世話を持て余し、人に頼らざるを
得なくなるが。
その相手は、貧しさの中にいても、きちんとした生き方を
している女性。
次第に、善いこと悪いことを考えるツォツィ。

物事を「考える」ことで、生き方や行動を自分から
学んでいくのよね。

映画の始まりと終わり頃で、主人公の目つき、表情が
全然違う。
プレスリー・チュウェンヤガエーの演技が素晴らしい。

ツォツィ・・・「チンピラ」の意。
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