アタラクシアの猫

ツォツィのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

ツォツィ(2005年製作の映画)
4.2
南ア映画。
クライム系ヒューマン・ドラマの傑作!
少年ギャングと赤ん坊。

無顧の悪人に宿る一欠片(ヒトカケラ)の善性。
芥川の「蜘蛛の糸」を彷彿とさせる深遠な…善悪の葛藤、寂寥(セキリョウ)、困惑、滂沱。
1人の少年ギャングの内面で湧き上がる感情。その怒濤の感情の波を見事に描いている。

南アフリカ共和国、首都ヨハネスブルグのスラム街。富裕層と貧民層の差が著しい街。
ツォツィの小屋でツルむ少年ギャングの仲間。
・ボストン先生(ちょいちょい学の有る所をひけらかす鼻につく奴)
・ブッチャー(足し算もロクに出来ないけどアイスピックを忍ばせる危ねー奴)
・アープ(ツォツィの傀儡)

カモを見つけて窃盗する時に、相手を殺すのも厭わないツォツィ達。
「やり方」で揉めてボストン先生を半殺しにするツォツィ。

何もかも気に喰わないツォツィは、富裕層の邸宅で、マダムの乗る車を強奪。その車には、赤ちゃんが乗っていた。
車の中の財布の金だけ奪うつもりが…どうしても「小さい生命」を見捨てる事が出来ない。

とりあえず赤ちゃんを運び出すツォツィ。
オムツは“アレ”で、たっぷり。
腹へってんのかな?
ミルク、ミルク…
とりあえずコンデンス・ミルクをダブダブぶっ掛けよう。

駅で出会った車椅子の乞食。
“オモライ”で小銭をジャラジャラ持ってる。小銭に目を付けたツォツィだけど…
車椅子の乞食にも「生命」が有る事を気付くシーンは、名場面。

小屋に帰ると、コンデンス・ミルクだらけの赤ちゃんには蟻がタカってる。このままじゃダメだ!
そういえば、近くの水場に赤ん坊をオンブした女が居た。
授乳する女に母性を見たり、
ガキの頃に育った「土管」
ツォツィの中で、何かが静かに変化していく。
スラム街の少年ギャング、ツォツィの運命は。

手に汗を握る展開に、目が離せない!
ラストが秀逸なので、
以下、ネタバレへ。