ほーりー

007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号のほーりーのレビュー・感想・評価

4.1
久しぶりに「ドクター・ノオ」を観る。

007シリーズの記念すべきこの第一作は、改めて観るとのちの作品と少々趣が異なっているのが面白い。

ジャマイカ駐在のイギリス情報部員ストラングウェイズが女性秘書と共に忽然と消息不明となる。
彼の自宅には多量の血痕が付着しており、何者かに襲撃されたのは明白だった。

早速、腕利き諜報員ジェームズ・ボンドが現地に派遣され、ストラングウェイズの身辺を調査する。

やがて、事件の裏側にはクラブ・キーと呼ばれる島(吹替え版の“蟹ヶ島”って呼称の方が好き)に住む中国人科学者ドクター・ノオが暗躍していることを突き止める……というのがあらすじ。

ボンドがひとつの土地で任務をするというのが珍しい。これ以降だと、最低でも二か国はまたにかけて活躍してるもんね。

ボンドの任務もスパイというより刑事か探偵みたいで、カーチェイスやアクションシーンはあるものの、むしろミステリー小説の雰囲気に近い。

また、ボンド自身や敵役のドクター・ノオのキャラクターもちょっと異色。

お!と思ったのが、クライマックスで、ノオがボンドの有能さを見込んで仲間に誘う場面。
自分が記憶する限り、敵側がボンドを懐柔しようとするのってあまりない展開だったと思う(記憶違いだったらごめんなさい!)。

一方、ボンドもノオの誘いに対して、明確に仲間を殺されたことの怒り(淡々とだが)を口にするのも珍しいと思った。
※細かいことだけど、ボンドの自宅シーンが登場するのも珍しい!

さて記念すべきボンドガール第一号になったウルスラ・アンドレス。個人的には次作のダニエラ・ビアンキの方が印象強かったけど、改めて観ると本作のアンドレスも登場シーンは短いながらも鮮烈に感じた。

放射能の除染シーンでアンドレスが全裸になるんだけど、見えそうで見えないようにうま~く撮っている。
アクションもさることながら、こういうお色気も適度に入れるなど、当時、低予算ながらこの映画が大当たりをとったのも納得。

■映画DATA==========================
監督:テレンス・ヤング
脚本:リチャード・メイボーム/ジョアンナ・ハーウッド/バークレイ・マーサー
製作:ハリー・サルツマン/アルバート・R・ブロッコリ
音楽:モンティ・ノーマン
撮影:テッド・ムーア
公開:1962年10月5日(英)/1963年6月1日(日)
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