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007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号のmurabonのレビュー・感想・評価

5.0
今年は007新作の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が公開される記念すべき年ですね‼️
007については思い入れがありすぎて、一般的な目線では観ることができず、なかなかレビューを書けずにおりましたが、新作公開前に暫定的にレビューを書いていきたいと思います。

1962年に一作目「ドクター・ノオ」が公開されてから半世紀以上続いているこのシリーズ。
殺人許可証を持つ英国のスパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描く世界的な人気シリーズです。

現行のダニエル・クレイグ版こそストーリーに連続性がありますが、「スター・ウォーズ」などとは異なり基本的には一話完結でどこから観ても大丈夫。
初めての人がどの作品から観たら良いのと言われると困りますが、今の人が観るなら2006年公開の21作目「カジノ・ロワイヤル」が無難でしょうか・・。公開順に観るのはちょっときついかもしれません。

シリアス寄りの作品もあれば、もはやSFと言える作品もあり、同じシリーズとは思えないほどの振り幅があるのが本シリーズの魅力の1つです。

テレビドラマ版、69年版の「カジノロワイヤル」を除けばボンドを演じた役者は6人いますが、私は世代で言ったら5代目のピアース・ブロスナン世代。

私が初めて007と出会ったのは実は映画じゃなくてニンテンドウ64のゲーム「ゴールデンアイ」。小学生の頃に大流行してて友達と毎日遊んでました。
映画を始めて観たのは18作目の「トゥモロー・ネバー・ダイ」。父親がレンタルしてきたVHSで観ました。ゲームのやつかーと思って見始めましたが、ボンドのカッコ良さにチビり、エロいシーンに気まずいながらドキドキし、そこから007沼に真っ逆さまです。

そこからは原作も読み、DVDやBlu-rayが発売し直される度に買い直し、ワルサーppkのモデルガンも当然買い、腕時計も分割払いで買い、アストンマーチンは永遠に買えないから仕方なく英国つながりでMINIに乗ったりと嗜好面、経済面など様々な点でその後の人世にかなりの影響を及ぼしてます。

本作「ドクター・ノオ」は記念すべきイオンプロ版映画化第一作。公開当時の邦題は「007は殺しの番号」、この邦題はすごくカッコいいですね。

今の観客が見たら古さを感じるのも分かります。
実家で鑑賞した際に母親が「つまんな」とぽつりとこぼしていたことが思い起こされます。
しかし、私は大好きです。
今観てみるとシリーズのお約束の多くが本作で既に登場していて、そういう点に注目しても楽しめる作品です。シリーズの象徴であるガンバレルシークエンス、Mやマネーペニーといった英国情報部のキャラクター、魅力的なボンドガール、個性的な悪役、秘密基地とその爆破など007の魅力が多く詰まった味わい深い作品です。

第一作目なので当然ですが、その後の作品と比べてとにかくジェームズ・ボンドというキャラクターが全面に出ている作品です。有名なジェームズ・ボンドのテーマもお腹一杯になるくらい流れまくります。特に画面内で何も起こってなくても流れます、素晴らしいですね。

ファンの間でも非常に人気の高いショーン・コネリーのボンドはめちゃめちゃカッコいいです。カジノでの初登場の場面は伝説級、映画史に残る名台詞「my name is bond,james bond」が炸裂します。言い方がカッコつけた感じじゃないのが良いんですよね、自然に言ってる感じがすごくいいです。ジェームズ・ボンドって男が憧れるヒーローではありますけど基本的にはスパイで殺し屋です。本作では女性を利用したり、弾切れの相手を冷酷に撃ち殺したりと怖い一面もしっかり描かれていて良いですね。

本作のボンドガールのウルスラ・アンドレスは物語も終盤に差し掛かってからの登場です。海から上がってくる登場シーンは冷静に考えると、そんなことあるかいって感じですが、ビキニ姿の彼女がとにかくナイスバディ過ぎてビビります。半世紀以上経った現代でも通用する美しさ、細すぎないそのプロポーションは正にレジェンド。

映画のタイトルにもなっている本作の敵ドクター・ノオも素晴らしいです。知的な中にも鋼鉄の義手を持つなど闘っても恐ろしいのではないかと思わせる外連味溢れる設定はすごいですね。

ボンド映画は観光映画の側面があり、世界各地の美しいロケーションがとても魅力的です。本作ではジャマイカのエキゾチックな魅力が溢れていて画的に非常に楽しい作品です。
ケン・アダムの美術、セットも印象に残る素晴らしい出来映えです。

長くなるのでそろそろ終わりますが、何回も見返したくなる魅力的な作品ですので興味ある方は是非ご覧下さい。
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