beachboss114

007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号のbeachboss114のレビュー・感想・評価

4.0
タイトルバックの女体シルエットは、この頃まではまだ服を着ていました。つーか、この1作だけは。

一服盛られてて当然のコーヒーを素直に飲んじまったり(監禁先やで)、必死のパッチでスリッパで毒蜘蛛を叩き潰したり(ゴキブリ退治してるヨメみたい)、およそスパイらしからぬポンコツ描写がご愛嬌。

葦の枝で水遁なんていう仮面の忍者・赤影みたいな術や、中国人の仲居さんが出てくるだけでコント臭が漂うなど、勘違いオリエンタルな要素で画面が一気に安っぽくなるのが哀しい。

悪役は知性のカケラも感じられない日和見なタダのコソ泥だし、そもそも全然強そうじゃないし(義手で空き缶潰してアピールされてもなぁ)。

原作がシリーズだったから何とか2作目に繋がって、そこから傑作が続いたから、原作が切れても長寿シリーズに化けた訳だけど、これ単発だったらこのまま終わっていてもおかしくはないレベル。

まだそれほどキャラも方向性も固まっていなかった時期なんだろうけど、「秘密基地はかくあるべし」というフォーマットだけはしっかり確立された模様。天井高くてダダっ広くて、それっぽい計器が並んでて、没個性なオペレーターがいっぱいいて、水槽があって。そこにサメが泳ぎ始めるのは、まだ先の話。

いずれにせよ、いろんな意味で後世の様々な映画に与えた影響の芽が感じられるので、見ておくだけの価値はあるかも。

あと、クソどーでもいい話だけど、「ドクター、ノー」って、「先生、ダメ、やめて」みたいなエッチなニュアンス?
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