◆あらすじ◆
ボストン近郊の小さな町で暮らすジミー、デイヴ、ショーンの3人は幼馴染だが、幼い頃にデイヴが誘拐されて性的暴行を受けたことをきっかけに離れ離れになっていた。
ある日、雑貨店を営むジミーの娘のケイティが遺体となって発見されたことにより3人は再会することになり...。
◆感想◆
幼い頃に袂を分った3人が身内が殺害される事件をきっかけに再会し、それが思いもよらぬ結末へと進んでいくストーリーとなっており、3人とその関係者たちが繰り広げる愛憎劇がなんとも心に突き刺さるものになっていました。
ジミー(ショーン・ペン)は元々、犯罪に手を染めていましたが娘の誕生を機に足を洗い、雑貨屋を営むようになります。ジミーにとって娘が全てであるという気持ちが強く表れていて、ケイティが亡くなってからのジミーの豹変ぶりは怖さを感じるくらい鬼気迫るものがありました。
ショーン(ケヴィン・ベーコン)は殺人課の刑事で、ジミーの娘の事件を担当することになります。ショーンは本作の中で一番冷静で、後ろ暗いことが全くないキャラクターですが、その分、ジミーやデイヴより感情の起伏が見えず、思考の読めない人物でした。
そして、デイヴは幼い頃に見知らぬ男に誘拐されて性的暴行を受けたことで心に傷を残しており、妻のセレステや息子のマイケルと幸せな暮らしを送る一方、時折、精神的に不安定になり記憶も定かでない状態になることがありました。デイヴは常に何かに怯えているような雰囲気があって、それは自分自身を制御しきれていないことに原因があるように思いました。
ストーリーとして、ショーンら警察が捜査を進める一方、ジミーも自ら捜査して犯人を殺害しようとする展開が続いていきます。デイヴはジミーを慰めていただけでしたが、デイヴの妻のセレステがジミーと会話したことでデイヴも思わぬ出来事に巻き込まれてます。この3人の構成が絶妙で、ラストまでストーリーの流れが留まることなく突き進んでいって、最後は呆然とするしかなかったです。
とても皮肉的なドラマでありながら、その続きを見ずにいられない興味を惹く内容になっていて、とても面白かったです。人生を語るほど偉くないのですが、人生のちょっとした嚙み合わせの違いで思いもよらぬ顛末を迎えるところにリアルさを感じました。
鑑賞日:2024年9月23日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2023年12月4日)