クリント・イーストウッド監督によるサスペンス映画。デニス・ルヘイン原作の小説がモデル。
主要俳優陣の演技がどれも素晴らしい。ティムロビンスのあのどこか気弱でちょっとたどたどしい雰囲気が彼が幼少期の拉致でどれほど悲惨な目に遭ったかを想像させる。
ショーン・ペンの激昂する演技も素晴らしい。ケビン・ベーコンの落ち着いた刑事の演技もとても良かった。
人としての尊厳を失ったらそれは死人と同じだ。というような考えはミリオンダラー・ベイビーを見ても頷けるイーストウッドの考えであると思う。
あの日、拉致されたデイブも自分をヴァンパイア=死人として捉えていた。
そしてこの映画も、最後は悲劇的なラストで終わる。そしてジミーはその罪を背負う為に十字架のタトゥーを首筋に入れた。
十字架はこの作品のキーワード、全ての場面で出てくる。自身の宗教観を映画によく反映させるイーストウッドの特徴でもある。
あまり深く考えなくても、テンポが良くてとても良く見れる作品だとは思うが、見終わった後はかなりへこむでしょう。自分の胸に十字架を突きさされたかのように。
蛇足ではあるけど、字幕の人の訳が日本語としても違和感なく、ウィットもある表現があってとても見やすかった。