してぃぼ

ミスティック・リバーのしてぃぼのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
3.8
冒頭の事件がこの映画の全てで最後の最後まで意味を持ってくるというのがさすがクリント・イーストウッドって感じですね。
ストーリー的にはデイブが犯人というミスリードに持っていく1点のみだったのが少し単調に思う人がいるかもしれません。

ただ娘を殺されたことによるショーンの悲しみ、デイブに対して募る不信感、そしてデイブ自身の自分でも何をしているかわからないと言ったあの発言、全てが悪い方向に噛み合って最悪の結末へ向かっていく展開がうまかったです。
あの事件以降、疎遠になったジミー、ショーン、デイブ。ジミーのあいつとはもう友達ではないという言葉からも、事件に巻き込んでしまった罪悪感が3人の関係性の亀裂へと繋がり、ひいては思い出したくない過去の出来事となってしまったことが原因の1つになっている点が何とも物悲しいです。
もし事件がなければ彼ら3人の仲は20年後も保たれていて、事件が起ころうとも疑惑をかけたり、殺されることはなかったと思わざるを得ない、そしてその全てが冒頭から始まっている点が素晴らしいです。
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