東朴幕院

ミスティック・リバーの東朴幕院のレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
4.3
久し振りに再見したが、やはり素晴らしい作品だと思った。
3人の幼味見の1人がいたずら目的で拉致され4日後に保護。そして大人になった。
町の有力者、刑事、そして拉致されたデイヴは上手く生きられていない。そんな中で町の有力者 ジミーの娘が殺されて発見される。デイヴは同じ晩に娘をバーで見かけており、更には強盗に襲われ逆襲して半殺しにしたと血だらけになって帰宅している。
デイヴの妻も半信半疑で、義理の兄であるジミーに相談するが....。
人生は運次第と言う事がある。正にそれを表現するかの様な展開で皮肉過ぎて胸糞悪くなった。しかし、メッセージはジミーの妻 アナベスが言う所にあるのかと思った。お父さんは、家族の為ならなんでもするし、間違いもない云々というセリフ。個人的には、現代においては空恐ろしい考え方だと思ったし、イーストウッドの『そんな考え方はやめたら?』というメッセージを感じた。ジミーのデイヴへのあの行為に悔恨の念を一瞬感じただけで、そんなものなのか、とパワーを持つものは何でも許される風潮への批判を感じる。
イーストウッドの作家性を感じる事の出来る傑作。
東朴幕院

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