半兵衛

俗物図鑑の半兵衛のレビュー・感想・評価

俗物図鑑(1982年製作の映画)
3.0
筒井康隆ワールドを映像化しようとするも作品の肝を掴みかねてカオスな作品になってしまったところはあれど、80年代のカルチャーや文化人たちの生態がフィルムに生々しく刻み込まれており独特な魅力を発揮しているので捨てがたいものがある。それに大林宣彦、朝比奈順子、山城新伍、四方田犬彦、ヒカシュー、安岡力也、平岡正明等といったプロや素人が混じりあって珍妙な批評家の演技をしている様子は文士劇レベルではあるがその混沌さがくせになってきていつしか楽しくなってしまう。

個人的にはインタビューを受ける素人を演じる手塚眞がお気に入り、ああいう生意気そうな一般人をさらりとやってのけるところに漫画家でありながら落語家、タレント、俳優もやってのける父親を血を感じさせる。
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