2019年 474本目
時は19XX年。第三次世界大戦後という架空の設定。
核戦争後の荒廃した世界。北半球は核により壊滅。放射能は刻々と南半球へと迫る。
学者の推測では世界の終わりまであと5ヶ月。
第二次世界大戦の十数年後に、この映画を世に出した今作には大きな意味がある。
「面白い」という言葉はもちろん相応しくないですが、映画としてとても興味深い作品でした。
1分たりとも無駄な描写は無かったように思います。
滅亡までの5ヶ月間。人間はどう生きる?
自殺を試みる者。
最後まで愛し合う者。
夢を叶える者。
職務を全うする者。
ただ呆然と時が来るのを待つ者。
果てには希望など無い。
しかし、
戦争の勝者は人間。
敗者も人間。
武器を作ったのも人間。
戦争を仕掛けたのも人間。
手を貸したのも人間。
犠牲者も人間。
間違いを犯したのは人間。
そして狂ったのがこの世界。
現代にこういうコンセプトの映画が作られても、あくまで映画として受け止められてしまうが、この時代での今作のテーマを考えると、発信しているメッセージ性はただの映画に留まらない。
間違いなく傑作でした。