そう結局ピクサーもディズニーに

渚にてのそう結局ピクサーもディズニーにのレビュー・感想・評価

渚にて(1959年製作の映画)
4.3
2019年 474本目

時は19XX年。第三次世界大戦後という架空の設定。

核戦争後の荒廃した世界。北半球は核により壊滅。放射能は刻々と南半球へと迫る。
学者の推測では世界の終わりまであと5ヶ月。

第二次世界大戦の十数年後に、この映画を世に出した今作には大きな意味がある。

「面白い」という言葉はもちろん相応しくないですが、映画としてとても興味深い作品でした。
1分たりとも無駄な描写は無かったように思います。

滅亡までの5ヶ月間。人間はどう生きる?

自殺を試みる者。
最後まで愛し合う者。
夢を叶える者。
職務を全うする者。
ただ呆然と時が来るのを待つ者。

果てには希望など無い。
しかし、

戦争の勝者は人間。
敗者も人間。
武器を作ったのも人間。
戦争を仕掛けたのも人間。
手を貸したのも人間。
犠牲者も人間。

間違いを犯したのは人間。
そして狂ったのがこの世界。

現代にこういうコンセプトの映画が作られても、あくまで映画として受け止められてしまうが、この時代での今作のテーマを考えると、発信しているメッセージ性はただの映画に留まらない。
間違いなく傑作でした。