フェルメールの絵画を見たので、約20年ぶりにこの映画を鑑賞。再現と想像によって上手に作り上げられた作品。都美術館で見た絵画は修復で新たな物語を見せていたけれど、こちらの映画もひとつの絵画の後ろの物語を豊かに想像させてくれる。
街並みだけでなく、そこにいる人々の顔つきと生活が、17世紀オランダ絵画の世界とぴたりと重なり驚く。フェルメールのアトリエの構成や置かれているもの、窓から差し込む光の粒と色の再現性の高さにも目を見張る。そして、スカーレット・ヨハンソンの少女らしさ(処女性)と官能性が共存した表情や言葉の発し方が絶妙。コリン・ファースは、いつもとは違うねっとりとした視線が印象的で、新しいフェルメールのイメージを見せていた。