YellTao

真珠の耳飾りの少女のYellTaoのレビュー・感想・評価

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)
4.5
絵画に空想を馳せる、究極のエロティシズム。

フェルメール『真珠の耳飾りの少女』
この一枚の絵の謎を、画家フェルメール家の女中である少女グリートの目を通して、届かない世界への憧れを表現する。

これは冷静に観てられない。
才能ある人との師弟関係における複雑な心理状況に共感を覚える質なので、
フェルメールとグリートの、絵や色のレクチャーを通しながらプラトニックに繋がりが深くなっていく過程に、覗き見しているようなドキドキ感を味わってしまう。

中学生の頃、同作品同様『天文学者』『士官と笑う娘』の光と影の表現に魅せられ、たかが美術の授業なのに自分の絵を描けなくなるという経験があるので、
ピーター・ウェーバー監督の、フェルメールの絵画の再現に圧倒された。これには質感の表現に優れたエドゥアルド・セラ氏の撮影の功績も大きい。

視覚的にも心情的にも深く余韻が残り、
なぜかいつもワインが飲みたくなっちゃうのです。
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