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ぼくの伯父さんの休暇のninjiroのレビュー・感想・評価

ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)
4.6
ユルッとした全編の雰囲気の中に数えきれないトリックが。
同じような映画の作り(フォロアー)はあってもこれだけサラッと上品に仕立てる術は随一、というか他に例がない。
同じようにしたいと思ってもどうしても直接的に観客を笑わせたいという欲が垣間見えるものだが、ここには笑いの習作にも似た、真摯な追求がみえるのみ。
これはチャップリンのフォロアーたろうとしたタチの特殊なアプローチのなせる技か。
完璧主義といわれたタチのカットのひとつずつは、なるほどやたらと丁寧で、これ以上はないというカットの積み重ね。
全編絵画を見るような。
コメディーを絵画で描き得たパイオニアが初期のシュルレアリストだとすると、絵画のようなコメディーを描いたタチは、唯一無二かもしれない。