TaiRa

ぼくの伯父さんの休暇のTaiRaのレビュー・感想・評価

ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)
-
ユロ氏登場。前作に比べてぐんとサイレント寄りになった。

海辺へバカンスを過ごしにやって来た人々とユロ氏。海辺のホテルで起こる素っ頓狂な珍事。ユロ氏の独特の動きを創作したタチのセンスが光ってる。普通に観たら自閉症か何かなんだよね。プロットの捨て具合はさらに加速。ビーチへ出ては何かやらかし、バレないように逃げるユロ氏というやつの連続。向かいの別荘に泊まっている美女ナタリー・パスコーがなんとなくユロ氏を好いてくれる感じ。ヒロインがいても決してロマンスとかに繋がらないのがタチ作品のプラトニックなとこ。ユロ氏を遠くから見て笑ってるヒロイン、というのがよく出て来る。その笑顔がとてもチャーミングだからタチの女性の描き方は好き。仮面舞踏会をの場面、彼女が背中のざっくり開いたドレスを着て来たのでダンスを踊る時に背後に回す手の置き場所に困る描写が良い。ユロ氏の童貞感。波打ち際に置かれた小舟にペンキを塗る最中、ペンキ缶が波にさらわれて置き場所がいちいち変わるギャグが地味に好き。あれは糸で操作とかしてるのかな。自然に任せてるなら凄い。最後のド派手な花火ギャグも結構危なっかしくて楽しい。ずっと散歩してる老夫婦の夫が良い味出してた。ユロ氏に会ったら勝手にお礼言いたくなるよね。
TaiRa

TaiRa