JIZE

パーフェクト・ゲッタウェイのJIZEのレビュー・感想・評価

3.4
ハネムーン満喫で羽目を外す3組カップルが謎の猟奇殺傷事件に巻き込まれる伏線が偽装を衒った本格サスペンス映画!!まあ"シナリオ"通りな映画(映像)ではある..1番興味を惹いた演出が中盤,真相(事の全顛末)を走馬灯のよう瞬間的に映すモンタージュ描写も事態の深刻性や進行加減を最悪な形で提示し人物の立ち位置を切り替える点でも最良な演出に思えた。また前半のサスペンスで懐疑的な不穏感と後半の理屈を吹っ飛ばせる超人的な追跡劇も化けの皮が剥がれ次第に首謀者が豹変し本性を示すカタルシス込みで苦笑感を放った。だからこの映画の醍醐味は前半部の布石が徐々に点と点を結び予想だにせぬ形で後半部を通じ伏線が連打される一言で"視点を利用した意外性"だと思う。特に後半部は伏線回収の連打で事態の後戻りが不可能な魅せ方も個人的にダークユーモアが込められ好み。

概要。世界的に有名なリゾート地ハワイを舞台にハネムーンで訪れた男女が殺人事件に巻き込まれる様子を描く。監督は『ビロウ』や『ピッチブラック』のデヴィッド・トゥーヒー。主演を務めたのは『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチ。

結論を述べればこの映画,要は人間の潜在意識に潜む"生半可な先入観"と周囲から信憑性なき認知を得る"未確定な情報の蓄積"をウリに"偽装と判断"を巡るお話だと思うんだ。だから構造も当然アンフェアで伏線も有り余る程に張り巡らされギミック満載。また台詞の応酬,物的証拠,映像の偽装など掟破りなフェイク性が後半に近付けば近付く程,映画的なそこを土足で踏み込めば状態的に裏付けが効かず当然駄作に成り得ない野蛮な構造を堂々と採用している。観客の予想を裏切り娯楽性を高める製作側の前向きな姿勢は見事にしろ脚本の根幹で穴が空き放題であり整合性が取れない不出来感は当然観た方なら共感して頂けるようこの映画の脚本(犯罪計画)にムリが生じが否めなかった。。2回目を観れば尚更,アラが生じる辻褄合わせな構造が尽く裏目に配され特に真犯人周りの場面と言動が犯罪計画を念頭に置き考えても価値を生まない言動の数々(序盤30程度),犯罪計画の全体的な練り不足感,2人の愛が実は枯渇している本末転倒な計画に支障が生じる間柄など,犯人側は現在に至る迄に相当残虐な犯罪に手を染め悪事を繰り返してきたっていう"ニュアンス"自体は物凄く台詞や表情で痛烈に感じる..が,実際に過去のエピソードや意気投合なバディ感を少なくとも半狂乱に暴走を遂げる後半部でほぼ魅せてくれない為かうわべ的な偽装に終始し幼稚な遊戯感は犯人側の逃避願望や孤独感のいわゆる"歪んだ者同士が欠如を完璧に補完し合う"根幹にある絆を知っても実際の本域やシンの深さな提示は比較的に抑圧されていた。だから更に悪な方向に舵を振り切れば完璧だったんだよね..作品そのものが指し示す方向性は良くも悪くも無難に着地し脚本の練り不足に思える。

作品の美点。特にアクション面。終盤で明かされる犯人が岸壁に隠れ腕のみを出し拳銃を別角度に連打しまくる躊躇なき素行を魅せる場面も狂気性が最高。あと同じく終盤ジーナと観光客,真犯人の三つ巴な交渉を介す場面で(犯人の)瞳孔の開きから自ら墓穴を掘り観光客を躊躇なく撃ち殺すブラックな狂気性も演出的に見事。全体的に後半の深傷を負っている筈が何故か超人化を果たす言動のつるべ打ちは爽快感が全て漲る。終盤ある3人が全速疾走で追跡劇を為す場面でカメラのショットを次々に切り替え魅せ方が単純に気持ち良かった。とにかく脚本の序盤から中盤に掛け伏線を効かせ過ぎた墓穴はさておき,視点が偽装する演出的な禍々しさであったり豹変の対極な魅せ方など展開の流れ自体は快適な映画になってます。役者陣が演じるキャラにずば抜けて鈍臭い野郎がいない事も結果振り返ればかなりの美点だった。ギリガンのサバイバルナイフが格好付けた割にそこまで活躍を果たさないアレは暗闇に留め万人向けな娯楽映画でしょう。また昨日扱った『パーフェクト・センス(12)』の"パーフェクト"繋がりで本作を監視しましたが久々に観れば意外とそれなりに良作!でした..言葉や表情を偽装し嘘が飛び交うサバイバル劇をお勧めです!!是非