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エアベンダーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

エアベンダー(2010年製作の映画)
2.8
シャマラン、改めて観るとなかなか面白い角度の作りでやってきてるな。そういう意味で色々興味深い。

水戸黄門というかRPGゲーム風。予定調和と勧善懲悪のテッパンの流れの中で、スゴく理屈っぽい。理屈っぽいというか、あえてセリフで補足説明して次の段取りを予告してくれる。しかも補足説明が行き過ぎて、登場人物自らネタバレしてくる。
「あなたがあの◯◯なのね!」
「そう、僕が◯◯なのさ!」
「ぢゃあ、あなたの運命は◯◯になったから、頑張りなさい!」
「次はあそこに行って◯◯に会って××しなさい!」
「そうか、ここは◯◯か!ぢゃあ△△しちゃおう!」
「あいつ◯◯するのに邪魔だから。だって△△だもん」
•••••なかなか言ってくれるじゃないか。
何なら、姿と身分を偽って隠密行動してる奴らでさえ「俺、◯◯やねん」的な言動。やるな。

おかげでよく言えばかなりぶっ飛んだ世界観が掴みやすい。だから、ちょっとワクワク感が訪れにくいが、意味わからん、が最小限。ここまでストレス無くSFファンタジーの世界観と設定となぜ?がないのも珍しいのでは?
ただ悪く言えば、違和感があるのは、これだけネタバレ説明してくれてるのに、本人達がネタバレに気付いてないこと。いやいや、もうそれで確定なのにまだ確かめますか?と。そこがちょっとムダ。せっかくわかりやすくしたのに、スムーズに進めてくれない。そこちゃんと台本と脚本で“どっちでいくか”を調整して!

というのと、気、水、土、火。この定番属性系のバトル。火は水に弱いとか、気で土は倒せないとかが意外とない。4つの属性が平等に存在してて均衡を保っている、を重視してるからなのか、いまいち属性の特徴の見た目以外が弱い気がする。見た目はカッコいいけど。そして、謎の太極拳的動きをしないと出せないのもRPGゲームやアニメっぽくて嫌いではないけど、ちょっとクドイ。

で、4つの属性の均衡を保つ、が乱れて、火が暴れる。そこは何か「やっぱり“火”か!」みたいな。そこもわかりやすくいくか!と。でも、一方で4つの属性を束ねて世界を平和に収める存在“アバター”、そこは割と雑に描くな!と。周りはかなりわかりやすくて、肝心なところはボカすか!

と、いつもの感じと少し“何か”が違うシャマラン作品、SFファンタジーってことで観るべし。面白いか面白くないか、期待通りか否か、決してその観点で観てはならない。
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