つるみん

トラスト・ミーのつるみんのレビュー・感想・評価

トラスト・ミー(1990年製作の映画)
3.8
【Grenade】

16歳で妊娠し、彼氏には捨てられ、怒り心頭の父親をビンタしたら心臓発作を起こし死亡。母親に家を追い出されるという最悪な状況の中で出会った、世間に馴染めず手榴弾を常にポケットに入れている青年マシューと出会う。

いや、ハル・ハートリー監督作ってこんなにも純粋で後味残す映画なのか。何処か哀しくも温かい気持ちになれる恋愛映画であって、ブラックよりのユーモアが癖になる感じも個人的にはタイプであった。


OPから凄い勢いのある映画なのに、本編をいざ開けてみたら、ゆったりと流れる会話劇。その緩急にやられるのとワンシーンワンシーンが非常に印象的である。流行りはしないくらいの、特徴的な愛の信頼度チェックなんかも、あの2人のキャラクターがあるからこそ実現できた事であって、あゝ映画って奇跡の連続なんだなと改めて思い知る。

何処かアメリカンニューシネマの時代を彷彿とさせる男女の関係であり、ある意味、逃避行劇でもあるポイントがあり、極め付けは何と言ってもあのラスト。ドライな空気感が常に漂いながらも、愛らしい2人を見つめるのが、この映画を鑑賞する際の楽しみでもあった。

愛って大切なんだよ。
つるみん

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