まぬままおま

トラスト・ミーのまぬままおまのレビュー・感想・評価

トラスト・ミー(1990年製作の映画)
5.0
ハル・ハートリー監督ロング・アイランド・トリロジー第二作。
最高‼マリア役のエイドリアン・シェリーは可愛いし、服もすてき。

マリアがマシュー家にはじめて訪れて、キッチンとかを散らかしまくるのは笑ってしまった。あんなに汚くしたら神経質なお父さんに激怒されるにきまってるやん…

本作で描かれているテーマに「知」を信じることがある。
マリアは非行で高校をドロップアウトして、妊娠もしてしまうーこれは男性の問題でもあるからマリアだけに非を求めることはできないがーどうしようもない女性である。またマシューは大卒であるが、テレビに代表される世俗的なものを嫌い、社会的に生きられないどうしようもない男性である。だがマシューは重厚な本を愛する。知を信じている。
そんな彼にマリアは出会い、惹かれ合うのである。さらに彼女はマシューの本を拝借して、「知」を求め始める。

マリアが眼鏡をかけ始めた時、それは彼女の外見的な美を損ねるのだが、人としての美しさが煌めき始める瞬間なのである。

本作で最も印象的なマリアが身を投げ、マシューに受け止めてもらうシーン。まさに「トラスト・ミー」であり、愛とは他者を信じなければ始まらないことが象徴的に描かれている。そんな恋愛の様相と共振するかのように「知」を信じて、ひたむきに生きることの尊さも示されているのである。

私も眼鏡をかける他者を好きでありたい。

蛇足1
マリアの服装は、マシューと出会う前は露出度高めの服装なのだが、以降は彼から「拝借」した、彼の母のワンピースとスカジャン姿である。そちらのほうがすてきだし、似合っている。

蛇足2
マリアの母が、マリアを結婚相手として許すためにマシューと行う対決で姑息な手段を取ることにシンプルに腹が立った。
だがマリアは母の姑息な手段に乗らず、知とマシューを信じて乗り越えることに感動を覚えた。