つかれぐま

ライオン・キングのつかれぐまのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(1994年製作の映画)
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【貴種流離譚ではあるが】

ちゃんと観るのは初。
好意的に見れば、シンバが視野を広げて戻って来る「王の帰還」なんだけど、現代のスタンダードで見れば看過できない部分が多い。

善悪二元論に基づいた復讐の肯定。
深読み過ぎかもしれないが、これは9.11前後の米国の外交姿勢そのものじゃないか。「プライドランド」といういやーな響き。そもそも動物界に国の概念を持ち込むのはどうなの。他にも父権主義、血統主義、ルッキズム、マチズモと、現在問題視される負の価値観が満載だ。

プロットがよく似ているMCU『ブラックパンサー』は、途中から袂を分かつように、父権絶対視や保護主義外交への自省がテーマになっていく。実は本作の負の要素をこっそりアップデートした作品で、そこが高く評価される理由かもね。

ジョンファブローの実写版?
そういえばあったなあ。