しゅん

花つみ日記のしゅんのレビュー・感想・評価

花つみ日記(1939年製作の映画)
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なんというか・・・観てはいけない物を観てしまったような、それこそ花をつんでしまったようなそわそわ感。まだ幼い女学生同士の疑似恋愛を描いているだけなのに何故こんな艶かしいのか・・・。いきなり食べかけのざくろが写されるところからもうヤバかった。若き高峰秀子の舞妓姿も素晴らしいです。

戦前の社会風俗を覗けるという点だけでもかなり貴重。当時の大阪の街角の雰囲気や学校や教会の空気感を存分に味わえる。バスや車もいい味出してる。

時代のせいもあって出兵の話がでてくるんだけど、全体が「お国のためにがんばって」モードの中で一瞬母親の戸惑った顔が映されるのが印象的だった。おそらく反戦メッセージとかそういうことではなくて、ただただ息子が離れていくことへの寂しさなのだろう。
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