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山口組外伝 九州進攻作戦の教授のレビュー・感想・評価

山口組外伝 九州進攻作戦(1974年製作の映画)
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映画としての完成度、というモノサシでは全く計れないほど、ストーリーは酷い。
脚本が酷いのか、演出が酷いのか。
「破綻」しまくっている。

この手の東映実録やくざ映画は、「実録」と言いながらも実録なのかそうでないのか、あやふやな所は多い。
そもそも、タイトルとストーリーがまるで関係ない。関係なさすぎで呆れるほど時代を感じる。

では面白くないのか、というと。そうではない。しっかり面白い。
不思議なもので、この東映オールスターな配役。菅原文太の哀愁はハズレなしだし、ノワール感を堪能できるし、出演者は要するに「仁義なき」メンツ。
しかし、何故か登場する志村喬の凄みに、ロバート・デ・ニーロみたいな津川雅彦など、亜種の混合具合がとにかく本作の魅力。
そこに破綻しまくったストーリーがぐちゃぐちゃに展開して妙なトリップ感を生み出してしまって、おかしみを生み出している。

何をどうしたかったのか、または、何も考えていなかったのか、実際のところはまるでわからないが、とにかくエネルギッシュさだけは絶大。
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