ナミ

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまでのナミのレビュー・感想・評価

4.3
夫婦って結局は他人だし最初から全部の価値観が合致しているなんて有り得なくて、日々過ごす中で表出してくるズレをお互いにちょっとずつ修正しながら繋いでいくのが夫婦生活だと思うのだけど、これはそのズレが修正されないままどんどん広がっていってやがて無残に崩壊した夫婦のお話。
幸せになりたいだけ、より良い人生を歩みたいだけなのに分かり合えない辛さが充満していて終始胸が痛い。

エイプリルが偏執的に狂っていってしまったのは、自身の夢の挫折に加えて、家庭に入って俗社会から隔絶された環境に置かれたことで「自分らしさ」とか「本当の幸せ」といった呪いが解けないまま年を重ねてしまったのが大きな要因だったのかなと思う。

欲も夢も向上心もなく、現状に何の疑問も感じず漫然と生きている人間の方が、波風立てず大人として賢く生きられる。
悔しいけど、そういう人間しょーもないなって思うけど、それが現実なんだよなぁ。
私も未だにこの悔しさを消化できない。私も呪いが解けていないのかも。
ナミ

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