牛丼狂

由美香の牛丼狂のレビュー・感想・評価

由美香(1997年製作の映画)
5.0
自転車3部作の1作品目。
平野と由美香の関係性が面白い。たとえば旅のストレスで喧嘩が始まったりするが、どんなときでも互いにカメラは回し続けている。その点の信頼関係がすでにある。しかし平野は余裕がなかったといい一度撮るのを忘れてしまい、由美香に「監督失格だね」と言われてしまう。
「うんこ」というわかりやすい最終目標があるのが推進力となっている。散々フリを利かせておいて、みごとにオチるのだが。
由美香が勝手にカメラを持って好きなように風景を撮るのが面白い。平野が撮った画はどうしても制作者としての視点が見え透いてしまう。それは悪いことではない。止め画に平野が入りこむと画が締まるというショットがいくつかあった。だが、まだ物足りない。由美香が撮ると、混じり気のない素直な画に、ある種の感動に包まれる。特に、最終日の日の出には感動である。そのまま平野に戻さずにスパッと終えるのも見どころだ。
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