Ryoma

ストップ・メイキング・センスのRyomaのレビュー・感想・評価

4.0
映画の「おいしさ」とは、「面白い動き」である。それは演者の動きはもちろん、カメラワークの動き、カット割りのリズム、ストーリーの流れ、音楽の波打ち・・・、全ては動いているのだ。それもそのはず、映画は英語で「モーション・ピクチャー」、動く絵画なのである。いかに面白い動きを画面上に発生させ、それを観客の元まで波及させるか、そこに宇宙的な奥義がある。
で、この映画「ストップメイキングセンス」は面白い動きが満載である。特筆すべきはデビットバーンのくねくねダンス、揺れる特大スーツ、ステージ上での追いかけっこ。またバーン&アコースティックギターで始まって、徐々に楽器や演奏者が増えていくのも、すんごく面白い「動き」だと言える。流動的なステージ、ノリノリの演者。
で、何と言ってもこの映画の傑作たる所以は、そんな面白い動きが満載でも、衣装やステージはミニマリズムを極めていて、バランスが保たれているということだ。恐らく衣装やステージ、構成が複雑だと、何ともギラギラしちゃって(それはそれで良いかもしれないが)過剰な映画になってしまうと思う。そこら辺のバランス感覚は計算されつくされていて、ほんと舌を巻く。
あと、おまけ的に言うのはなんだが、シンプルに音楽めっちゃいい。即サントラ買って聴きまくってる。ほんと最高。
Ryoma

Ryoma