七沖

コン・エアーの七沖のレビュー・感想・評価

コン・エアー(1997年製作の映画)
4.5
〝雲の上に、地獄はあった。〟
子どもの時何度も観た作品。大人になった今観ても、全く退屈しない。ストーリーも綺麗にまとまっていて、90年代アクション映画のオススメを訊かれたら真っ先に推薦する一作。

刑期を終えてやっと妻と娘に会えると思ったら、乗り合わせた飛行機は凶悪犯の輸送機で、さらに同機は凶悪犯によってハイジャックされてしまう…という踏んだり蹴ったりなストーリー。

マイブームの90年代アクション映画巡り第4弾。
「あまり楽しめる状況じゃないが……行くぜ!」
この台詞は、主人公のポーが病気の囚人仲間のために注射器を入手し、凶悪犯らと警官たちがドンパチしている中を走り抜ける直前に呟く言葉だ。この台詞とこの時にかかるBGMは、仕事でつらい時にいつも思い返している(笑)。
音楽がカッコいい!最近音楽がカッコいいとすぐにハンス・ジマーかと思ってしまうが、本作の音楽担当はトレヴァー・ラビン。『アルマゲドン』や『ディープ・ブルー』の作曲をし、ハンス・ジマーとも知り合いらしい。

コン・エアーをジャックする凶悪犯を演じるのが、ジョン・マルコヴィッチ、ヴィング・レイムス、ダニー・トレホ、スティーブ・ブシェミと完璧な布陣。よくここまでハマり役を集めたものだ。エンドロールで「スイートホームアラバマ」を流しながらのキャスト紹介を見ていると、みんないい人に見えてくる(笑)。
ニコラス・ケイジが演じるポーがとにかく漢気溢れるいい奴で、本当に見習いたい生き様。キレると銃弾すら効かなくなる…!ラストシーンの娘との抱擁は、これまでポーが歩んできた人生を思うと自然と泣けた。
ポーを善人だと信じてコン・エアーを追うラーキンを演じたジョン・キューザックのイケメンぶりも記憶に残る。共同戦線を張るマロイとの、オープンカーをオシャカにしてしまった際のやり取りは普通に笑える。

ラスベガスに突っ込むシーンはミニチュア撮影も織り混ぜるなど、特撮魂も感じられる90年代アクション映画の傑作だ。
七沖

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