あまね

コン・エアーのあまねのネタバレレビュー・内容・結末

コン・エアー(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

酔っ払いから妻を守ろうとしたポーは、誤って相手を殺してしまう。
有罪判決を受けて服役した彼は、やがて8年の刑期を無事に終え、模範囚として仮釈放された。
囚人輸送機に乗って愛する妻子の元へと帰ることとなったポーだが、しかしその輸送機は、輸送中の囚人グループにハイジャックされてしまう。
家族の元へと帰るため。友人の命を守るため。ポー対囚人グループの孤独な戦いが幕を開ける。

アクション、アクション、またアクション!
これでもかというくらい爆発し、殴り合い、飛び、跳び、撃ちまくる。出し惜しみなしのアクション満載で、最初から最後まで飽きることなくだれることなく楽しめた。

凶悪犯ばかりをこれでもかと詰め込んだ、最新鋭の囚人輸送機。この状況がまず特殊だ。どいつもこいつも曲者ぞろいで、そうした連中をまとめる――のではなく、支配するサイラス。
「仲間」だなんてお世辞にも言えない囚人達の中で、バレないように立ち回り、なんとか外の警察に事態を知らせようとするポー。
しかしちょこちょこ身バレしそうになり、そのたびに襲われ、戦い、危機を乗り越えていく。
この機内の場面からがっつりアクションが入ってくるので、だれることなく手に汗握って見ていられる。

そして、ハイジャックされた輸送機が舞台だが、飛びっぱなしではないのでアクションが途切れることがない。
一度着陸し、そしてまた離陸して――と、ボロボロになりながらも頑張って飛ぶ輸送機! もちろん、輸送機が飛ぶたびに、降りるたびに、そこではド派手なアクションが!!
爆発! 爆発! また爆発!
心が休憩する暇がないくらい、次から次へとアクションシーンを叩き込まれる。

ストーリーはシンプルながら、友情、愛情(家族愛)、そしてバディものをきっちり押さえてくれているので、アクションだけに留まらない。
エッセンス程度だが、そもそもアクションが見たくて観ているので、ちょうどいい塩梅だと感じた。

物語中盤から存在感を増してくる連邦捜査官のラーキンが、個人的にはいい味だなぁと思った。
優男で饒舌なラーキンとポーとの会話なきバディ。コンタクトはごくわずかで、それでもポーが輸送機奪還に動いていると信じるラーキンと、ラーキンが動くことに賭けるポー。空と地上、囚人と捜査官、一面識もない二人が、同じ目的のために爆発の中を駆け抜ける。
物語終盤にかけて二人の距離が次第に縮まっていき、ラストではともに同じ敵を追う即席バディになる展開は、個人的にとても好みだった。

曲者が多いのは敵だけではない。
味方にも曲者がいて、ハラハラさせられる。
畳みかけてくるアクションと、物語をぶん回すキャラクターのおかげで、2時間があっという間に過ぎていった。
あまね

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