カタパルトスープレックス

三人の妻への手紙のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

三人の妻への手紙(1949年製作の映画)
4.1
昔のハリウッド版『桐島、部活やめるってよ』です。『アディ、駆け落ちするってよ』って感じ。ジョセフ・マンキウィッツ監督が『イヴの総て』などヒット作を連発してノッていた時期に作った作品です。ジャンルはミステリーとなりますが、フォーマットとしては恋愛ストーリーとなります。マンキウィッツ監督が得意とした回想劇を絡めた真相究明ですね。「フーダニット」の変形。

舞台はアメリカのとある地方都市。デボラ、リタ、ローラメイの女友達三人はボランティア活動の一環で子供たちのピクニックの引率のために遊覧船で出かけます。出発直前にもう一人の幼なじみアディから手紙を受け取ります。「あなたたちの夫の誰かと駆け落ちします」と。三人とも自分の夫がアディと駆け落ちするのではないかと疑心暗鬼になりますが……という話です。

この映画を簡単に説明するならば昔のハリウッド版『桐島、部活やめるってよ』です😂。桐島は学校のスターで、部活を辞めると宣言。周りが翻弄される姿を桐島抜きで描きますよね。本作での桐島はアディで、幼なじみの間でのスターです。駆け落ちする!と宣言して周りが翻弄される姿をアディ抜きで描きます。ね?同じでしょ?

アディがどれだけ気品溢れるセンスの良い美女だったのか。見てみたいですよね!声の出演はセレステ・ホルムなんですが、想像力を掻き立てられます。

ジョセフ・マンキウィッツ監督はこの時期にミステリーのフォーマットを使ったユニークな作品をたくさん残していますが、どれも素晴らしい佳作だと思います。