戦後の落ちきった雰囲気の中で生きる貧困層のカップルを描いたとにかく美しい作品だった。
この美しさに魅了されるのは私たちが豊かな生活を送ってしまっているからだろうか。
小さな幸せ、大きな幸せ、人それぞれ幸せの形は違っても幸せを求めるからどんなに辛くても生きてられる気がしました。
ネガティブな雄造とポジティブな昌子。その関係性がすごく好きです。好きです、なんて伝えなくてもお互いがお互いのことを今の環境から理解し尽くしている。もしかしたら今はお互いの理解が足りてないから不安になるかもしれないですね。
カメラワークも非常に魅力的。
私は家をみているときと踏切のカットがお気に入りです。大衆の中にいる二人のカットと、二人の世界の中にいる二人のカットの対比が素敵です。
作品をみていてとても思ったのは、やっぱり男女の関係や幸せの形、それぞれの環境は時代を越えて変わってきている、でも今も昔も相手を思う心があることにすごく救われたということです。ゆっくりもう1回みたい。