《コメディ・ダークさの幅広い要素と、"意思を持ったハリー"が魅力》
【次のステージへ】
冒頭の公園のシーンからダークさを感じる画質と悲壮感漂う音楽で、一段と大人なスタイルに新しい章に入ったなと感じる。受け身のハリーが本格的に"意思"を持ち始めた回でもあり結構好きな作品。
【学園コメディ要素】
比較的シンプルなストーリー展開だが、ダークファンタジーの中にも学園ドラマテイストがあり、コメディー要素が面白い。それを引き立たせるアンブリッジ役のイメルダ・スタウントンも素晴らしい。甲高い声に笑立つほどの笑み。外見的にも実際に存在しそうな説得力を感じる。のちの『マレフィセント』の妖精役を見ても最高のコメディーテンポですごい女優さんだなと思った。
【ハイテンポ】
今作の構成はシリーズでほぼ初めて中盤がガッツリとモンタージュ/ダイジェストになっていて、全体としてもハイテンポでスラスラ進んでいった印象。一方、原作で扱っていたロンとハーマイオニーの監督生デビューや、ロンのクリディッチなどはカットされ、少し残念。
【見事なクライマックス】
クライマックスのダンブルドアvsヴォルデモートはとても見応えがあり、公開当初も無音の中の激しい戦いに魅了された。音楽を断つという演出はとても効果的だったと思う。
【総括】
シリーズの中でもコメディー要素が比較的強く、なおかつ壮大なラストが待っている今作。その幅の広い要素や視覚的に楽しめるシーンも多くエンターテイメントに溢れた作品になっていたと思う。なにより、ほぼ始めて主役らしくみんなを引っ張っていくハリーが魅力的だった。