Dumbo

四月物語のDumboのレビュー・感想・評価

四月物語(1998年製作の映画)
3.8
『小さいおうち』の松たか子関連で、
こちらをすすめていただきました。


四月…

いきなり自分語りですが、
私は四月が嫌いです。
新しい環境に慣れるのが、
人一倍遅い私は、
四月はとてもとても怖い月でした。
子どもの頃からずっと…

入学、クラス替え、就職…
変化にとても弱いので、
緊張からか風邪をひいて休んだり、
休むと余計に周りから遅れをとってしまい…
ワクワクする気持ちなんて少しもなかった。
子どもができてからは
子どもの入園、入学でも
自分まで緊張して
またその怖さを少し思い出してしまうほど…

子どもたちも育ち、
四月恐怖症からは解放されたものの、
相変わらず今も、桜は苦手で…
桜が嫌いなんて、
日本人としてあるまじき奴ですが、
桜の咲く時期はいつも体調が悪くて、
毎日のように頭痛に悩まされます。
なぜなのかは今だに分かりません。



そんな、桜が咲く“四月”の映画でした。



私は“特に何も起こらない”映画が
けっこう好きなので、これも好みでしたが、
ちょっとマニア向けなのかもしれません…


本当に何も起こらない…


何人か個性的な登場人物が出てきて、
この人たちはこの後どんなふうに絡んでくるのかな…
と思ったけど…
特に何もなかった笑
ただ、そういう人たちというだけ。


もうこれは、
若くてピュアな松たか子を愛でる映画なんじゃないかと思います。
とにかく
松たか子が初々しくてかわいい!
この透明感と瑞々しさは一見の価値ありだと思います。


いきなり松さんの本物の○○ご登場で、
これはドキュメンタリー?
ってびっくりしました💦

セリフもBGMも少なくて、
普通の女子大生の日常を見ている…
って感じでした。



人見知りでおどおどしてて、
新しい環境になかなか溶け込めない…
まわりのパリピな人たち(まだ私が若い頃にはパリピという言葉はなかった笑)にも違和感を感じて…
っていう松たか子(演じる女子大生)にも共感。

大学に入ってすぐの頃、同じように
絶賛片思い中だった私は、
どうしても当時の自分と重ねてしまいました。

想いを伝えることもなかった(二次元じゃない)初恋のあの人は、
今どうしているのかな…


私の心の奥には小さな箱があって、
伝えることがなかったその想いは
きれいなままの思い出で、
今もその中に入っています。

時々そっと開けてみることはあっても、
けして取り出すことはありません…



何も起こらないけれど、
そんな大昔の気持ちにひとときタイムスリップさせてくれた作品でした…
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