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四月物語の教授のレビュー・感想・評価

四月物語(1998年製作の映画)
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うーん…。印象としては新海誠作品に通じる気がした。
1998年。当時は岩井俊二の登場はセンセーショナルだったのだけれども…同時に強い反発もあった。
今、改めて見返してみて、正直に言ってどうしようもなく下手くそな作品だと思う。

まず、引っ越し屋だったり、サークルの先輩の津田寛治もそうなのだが、悉く主人公に絡んでくるサブキャラの演出がダサすぎる。
というか、不自然極まりなく、何より人物としての実在感があまりに乏しい。

そして、画面の色彩は衣装と背景を何故か合わせているせいで却ってぼんやりしている。
所謂、差し色が乏しいので背景と被写体が潰しあってる感じ。
カメラも若干引き気味なので、基本、構図を重視して撮っている、のだろうけれど、それだと物語や人物のここぞ、という芝居を捉えられない。

それらの意味でアニメーション的にストーリーは展開して行く。
だが、空疎な会話と、ナレーション。
笑えないギャグばかりが延々と続き不満が募る。

劇中の「生きていた信長」も一見面白そうだが、アクション演出が今っぽくて、細部のディテールさえも突き詰めていないのか、とゲンナリしてしまう。

なんだか小ワザ的に様々な要素をつぎはぎ的に繋いで、なんとなくデコレーションされているかのような気分で、今年のワーストの部類に入ってしまった。残念。

あと、若い頃の松たか子は、土屋太鳳っぽいなぁと思った。
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