KOICHIRO

沈まぬ太陽のKOICHIROのネタバレレビュー・内容・結末

沈まぬ太陽(2009年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画『沈まぬ太陽』鑑賞。
原作はご存知、山崎豊子の同名のベストセラー小説。
ハードカバー5巻から成る大作です。
山崎豊子の小説はどれを読んでも面白いのですが、その中でも、この作品は一、二を争うほどのお気に入り。
ただし、小説を読んだときには、あまりのスケールの大きさと、いろいろしがらみのあるストーリー故に、映像化されることはあり得ないと思っていました。
その小説が映画化されたということで、ワクワクしながら映画館へ。
まず、見終わった感想を一言。
噂に違わぬ素晴らしい作品だと思います。
200分を超える上演時間は、一本の映画としては異例とも思える長さで、途中10分間の休憩時間まであるのですが、最後までまったく飽きがくることはありませんでした。
山崎豊子ファンでなくとも、自信を持ってお奨めしたい映画です。

★さて、ここからややネタばれ★

この作品はもちろんフィクションですが、舞台となっている企業は日本航空。さらに主人公・恩地元をはじめ、登場人物の多くは、実在の人物がモデルとなっています。
そして、事実のデフォルメとフィクションが混ざり合い、恩地元は正義の味方、日航は悪という構図が強調されているため、日本航空には、『沈まぬ太陽』に対する相当なアレルギーがあるようです。
事実、小説が連載されていた週刊新潮を、当時、機内搭載雑誌から外したり、映画化に際しても一切協力をしないばかりか、映画化反対の声明まで出したりしています。
確かに、ここまで小説に書かれてしまったら、当事者としては面白くないでしょうね。自分が日航関係者であれば、名誉毀損で山崎豊子を訴えかねない内容です。
まぁ自分は日航の社員でもないし、身内にも関係者はいないので、純粋に小説や映画を楽しむことができましたけど。
ただ、企業内部の経営や人事に関する暗部が描かれているため、自分の立場上、嫌でも現実の仕事のことを思い浮かべてしまいます。
なんてったって、私の仕事である「人事」は、この小説では悪の権化ですから(笑)
もっとも、現実の人事も結構ブラックな世界で、労使交渉が終わったあとに、人事担当役員と私との間で「あいつはカラチだよな」「いやナイロビで」なんてシュールな会話を交わしたこともあります(笑)
話が映画から、どんどん横道にそれてしまいました(苦笑)
ともかく。
面白い映画&小説であることは間違いありません。
見応えのある、読み応えのある重厚な作品です♪
ところで、映画冒頭の御巣鷹山事故の遺体を検視する体育館のシーン。
お友達が看護士役としてエキストラ出演しているはずなので、目を凝らして探してみたのですが見つけられませんでした。う~ん、残念。
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