ならず者のウィリアム(エミリオ・エステヴェス)は、辺境の牧場主タンストールに拾われ、5人の若者たちと共に牧畜と読み書きと正しい銃の扱い方を教えられる。
土地を巡る争いからタンストールが殺害され、6人の教え子たちが復讐に立ち上がる…。
エステヴェス、キーファー・サザーランド、チャーリー・シーン、ルー・ダイアモンド・フィリップス…といった製作当時(’88年)の人気若手スターが共演した西部劇。
見どころは、道を踏み外していくウィリアムが、伝説の悪党”ビリー・ザ・キッド”になっていくこと。
惜しまれるのは、主演のエステヴェスが”稀代のワル”には見えないこと。
父親のマーティン・シーン、本作で共演している弟のチャーリー…この一家って、基本的に”善人顔”だと思う。
衝動的に無差別に人を殺してしまうビリー役には、ホアキン・フェニックスのような狂気とふてぶてしさが必要。
本作のエステヴェスからはどうしても、朗らかさとか知性の方を強く感じてしまう。彼に似合うのは『ブレックファスト・クラブ』とか『セント・エルモス・ファイヤー』の”プレッピーのお坊っちゃん”役。
『レポマン』のチンピラ役はハマってたけど、本作のビリー・ザ・キッドのような極悪ぶりを演じるにはちょっと無理があったのかも。
フレッシュな顔ぶれによるケミストリーは楽しめたし、可能性を感じさせる組み合わせだったけれど、肝心の主役のキャスティングが残念な作品だった。