まめだいふく

雨のしのび逢いのまめだいふくのレビュー・感想・評価

雨のしのび逢い(1960年製作の映画)
3.0
 とあるカフェで、男が女を殺した。犯人は女の死体に縋りつく。それを警察が引き離し連行する。
 現場に偶然居合わせたブルジョワ夫人のアンヌにとって、その事件は忘れられない出来事だった。二人はどういう関係だったのか、動機はやはり愛憎のもつれか……。
 ある日アンヌは、事件が起きたカフェで、一人の青年と知り合う。何か惹かれるものを感じ、青年に会いにカフェに足を運ぶようになるアンヌ。話題は常にあの殺人事件について。しかし、今の生活から脱却したいと願うアンヌは、次第に禁断の愛を求め始める……。

 マルグリット・デュラスの小説『モデラート・カンタービレ』の映画化。
 身近で起きた殺人事件をきっかけに、自分の人生を見つめ直す人妻の物語。平たく言えば不倫のお話。なんていうと身も蓋もないが。

 アンヌはあの女性のように、愛する者の手で殺されたかったのか、それともただ新しい恋愛を求めていただけなのか。最後のあのすさまじい慟哭から察するに、個人的には前者かなあと思うのだが。

 それにしても『雨のしのび逢い』という邦題は何なんだろう。雨一滴も降らなかったけど。
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