何故かソフト化されていない本作だが増村作品としては非常に重要な一本である
プログラムピクチャーとして成功を収めたシリーズだが本作は趣きがかなり異なった作品である
過剰な暴力表現とセックス（レイプ）
露骨な勧善懲悪と下品さの強調
増村の異常な趣味がくっきりと刻印された作品になっている
日本軍の異常さへの批判は兵隊やくざの大きなテーマなのだがこの作品では暴力をあまりにも強調し過ぎており結果的にサドマゾ的な方向へ向かってしまっている
バロック的な歪みがこの作品の特徴だがそれが面白いのかどうかは判断が難しいところだ
曽根崎心中が増村色に染まってしまったようにこの兵隊やくざも増村色に染まってしまっており、第1作目とは著しく異なっている
菊島隆三が脚本で描いた世界は日本軍への強い批判を含みながらどこか牧歌的でコメディーを混ぜ合わせた魅力のある世界だったが、増村保造の世界はSM的なギリギリする中に興奮を生じさせる作りになっている
