Tラモーン

1978年、冬。のTラモーンのレビュー・感想・評価

1978年、冬。(2007年製作の映画)
3.9
それでも人生は続くって感じだった。

文化大革命直後の中国の田舎町が舞台で、ひたすらに淡々とした展開で、ひたすらに荒涼とした映像が続く。

仕事をサボってばかりの青年スーピンと幼い弟のファントゥ、北京から隣に引っ越してきたシュエン。ほとんどこの3人だけ。

とてもミニマルな作品だけど、思春期〜青春期特有の閉塞感を田舎町と凍てつく冬の映像でとても美しく表現していた。

淡い恋が実っていくのかと思いきや、容赦の無い世間の目と時代に飲み込まれてしまう若い2人が切ない。

『いつかこの街を出て行く』と言っていたスーピンの思いと、残された家族とシュエン。
ファントゥにピントを合わせたカットの後ろで肩を震わせる母親。窓の外でピントのぼけたカットで映し出させるシュエン。
このあとにも彼を襲うであろう不条理を、なんとか跳ね除けて欲しいとファントゥの将来を案じずにはいられない。


上手く感想がまとまらないけれども、とても印象に残る作品だった。
Tラモーン

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